視察報告書

自由民主党愛知県支部連合会青年部
視 察 報 告 書

 われわれ青年部は、政府が打ち出した新三本の矢(1、希望を生み出す強い経済 2、夢をつむぐ子育て支援 3、安心につながる社会保障)について、少子高齢社会に直面したわが国が、持続可能な成長と発展を遂げるためにどうするべきかを考えていきます。同時に政府が掲げる一億総活躍社会は、目先の成長や改革ではなく、青年部世代(学生から子育て世代)が将来必ず直面する課題を解決・緩和するため、現状をしっかりと把握し、地域や社会がどうあるべきかを探るために視察を実施しました。よって、ここに報告いたします。

1.視 察 地

  • 2月27日  愛知県北設楽郡東栄町 「体験型ゲストハウス だのんdanon」
  •   同日   愛知県北設楽郡豊根村 「豊根村役場・チョウザメの養殖場」
  • 4月16日  愛知県長久手市 「愛知たいようの杜」 「地域共生ステーション」
  • 10月22日 愛知県弥富市 「農業生産法人 有限会社 鍋八農産」

2.視察目的

  • ○東栄町・豊根村
    • 体験および交流型ツーリズムによる地域活性化策の事例を学ぶ
    • 田舎暮らしと起業による雇用創出と地域振興について意見交換
    • 石窯を使った出張料理の体験
    • 企業との技術提携による産業創出の現場見学(豊根村・チョウザメの養殖場)
  • ○長久手市
    • 「日本一住みやすいまち」長久手市の新しいまちづくり施策を学ぶ
    • 地域による住民プロジェクト「絆」の聞き取り調査
    • 福祉複合施設を訪問し、多世代間の交流や定住促進策を学習
  • ○弥富市
    • 農業法人を訪問して先駆的事業による農業振興策を学ぶ
    • IT管理ツール「豊作計画」導入後の現状や課題について聞き取り
    • 農業経営全般について意見交換
    • 生産管理されている農場の視察

3.参 加 者

  • 自民党愛知県連青年部役員一同(青年部長:田中泰彦)

4.調査内容

  • 産業の活性化、定住人口の増加による地域経済・社会の活性化を目的とした事例として、3回に渡り視察を実施しました。以下詳細

<第1回 東栄町、豊根村>

 東栄町の体験型ゲストハウス だのんdanonは、移住人口の促進に向けた民間事業者の取組みとして、都会には無い東栄町での暮らしを体験してもらう滞在型ツーリズムを行っています。交流による人口の増加を図り、地域経済・社会の活性化に繋がる事業として、官民連携や支援のあり方に大きな可能性を感じました。
 また、豊根村では地域産業の衰退が加速する中で新しい地域の産業創出の試みで、チョウザメの養殖事業を地域住民と連携して、村の産業活性化に向けた取組みを行っています。
 課題として、事業の継続性や定着化については時間を要するものと思われ、採算面など検討していかれるとのことです。地域おこしに向けた自治体と民間事業者との取組みは、他の地域においても今後盛んになることを期待します。

<第2回 長久手市>

 現在、長久手市では、少子高齢社会による人口減少が進む中で、移住促進、定住人口の増加に向けたまちづくりを掲げ人口増加が続いており、その結果「快適度」「子育てがしやすい」など各種調査で日本一住みやすいまちに選ばれた自治体です。
更に市長が、目安箱を設置して行政運営の上で住民参画を重視しており、市民の声を積極的に市政運営に反映するための取組みも、人口の流入・定着に繋がっています。
また、「愛知たいようの杜」では、幼稚園と老人施設などを同一の敷地内に設置して、幼児から高齢者までの世代間交流を促す仕組みづくりは、幅広い世代が安心して生活できる持続可能なまちづくりの実現への可能性を感じました。

<第3回 弥富市>

 鍋八農産では、トヨタ自動車のIT管理ツール「豊作計画」を活用し、ICT技術を取り入れることで効率的で安定した農業を実践しています。八木社長によると「IT管理ツールはあくまでも”ツール”であり、生産者の意識と想いが大事」とのことで、当事者の地域や産業に対する考えが、地域農業の活性化に繋がっていることを改めて認識しました。
 地域産業へのICT技術の取り入れなどイノベーションの活用による産業振興は、農業のみならず、他の産業においても参考にできる取組みです。地域を支える産業と連携を図り、先駆的事業を推進するような仕組みや形態を行政と共に検討していく必要があるのではないかと考えます。

5.まとめ

 われわれ青年部は、一年を通して愛知県内の様々な地域を訪問し、現地現場の声を聞き、肌で感じ、地域の発展に携わる人々の熱意に触れることができました。

 これらの活気ある情熱的な取り組みこそが、本来の地方創生につながり、一億総活躍社会の実現の原動力になると考えます。

魅力ある素晴らしい事業とそれに対する熱意を国の交付金支援や地域の補助事業という括りだけでなく、行動力のある青年世代が積極的に現地を訪れ、広く周知・広報していくことこそ、わが愛知の地域活性の一助となることを確信しました。

平成28年12月1日

自由民主党愛知県支部連合会
青年部長  田中泰彦
政務調査会長 安井貴仁

Copyright(c) 2012 自民党愛知県連青年部 All Rights Reserved.